Work![Crime1 defend] 終章「大切なモノ」
CAST
カイル(♂)
リム(♀)
ザン(♂)
男A(♂)
男B(♂)
リム父(♂)
リム母(♀)
キャラクター設定
リム父は男A又は男Bと被りOKです。
[ ]はSE及び状況です。参考にして演じて下さいませ。
終章「大切なモノ」
-----20XX/10/19 08:19PM-----
[辺りは静まり返っている]
[動かないリム]
[突然、屋上に設置された無数のライトが一斉に点く]
001 リ ム「!?」
[立ち上がり、光を見据えるリム]
[足音]
002 リ ム「だ……れ?…誰……なの?」
[近くなる足音]
[後退り、ドアに背中を合わせるリム]
003 リ ム「誰なの?…一体どこから……。」
[足音が止まる]
004 男 B「……もういいだろう…。いい加減、諦めろ。」
[再び歩き始める男]
[明確になる男の姿]
[リムは凍りつく]
005 リ ム「……タ…タランチュラ……。」
[男の首にはクモのタトゥがあった]
006 男 B「さぁ、こっちへ来るんだ…。」
[男がリムに手を差し伸べる]
007 リ ム「誰が…誰があんた達なんかに!来ないで!!」
[リムはカイルの銃を握り直し、男に銃口を向けた]
008 男 B「ふっ…そんなことはよせ。さぁ、その銃をこっちに渡すんだ。」
[男が一歩踏み出した瞬間]
[銃声]
[弾は男の足元のコンクリートを削る]
009 男 B「何をするんだ……馬鹿な真似はやめろ…。」
010
リ ム「馬鹿な真似ですって!?ふざけないでっ!!
あんた達は…カイルを……パパとママを殺した!
私を守ってくれたカイルを…平気な顔して撃ち殺したのよ!!
…私はあんたを許さない……ここで私を殺したって、それは変わらないわ。
でもその前に……そうなる前に、私があんたを殺してやるっ!!!」
[リムが再び銃を構える]
011 男 A「ここだ!開けろっ!!」
[リムの後ろのドアがガタガタと音をたてる]
[リムはドアから離れ銃を構える]
[男がリムの前に立ちふさがる]
012 男 B「もう、やめるんだ!」
013 リ ム「どいてっ!さもないと…今度こそあんたを撃つわよ!!」
[男は少し離れる]
014 男 B「やめろ。頼むから、銃を下ろしてくれ。」
[男の態度が変わり、リムは銃を下ろしかける]
015 リ ム「………あんた達……一体何なの?」
[ドアが変形し、開きそうになる]
[銃を構え直すリム]
016 男 B「分かった!本当のことを言おう!」
017 リ ム「……本当の…事?」
018 男 B「そうだ…俺達は、君の親に頼まれてやったんだ。」
[愕然とするリム]
019 リムM「パパとママが……私を………殺そうと…?」
020 リ ム「…なん……ですって…?」
021 男 B「今日は、君の大切な日だろ…?
君の両親が驚かそうとして―――」
022 リ ム「…何……言ってるの?
だって…パパとママは10日前……別荘で殺されて……。」
023 男 B「だから、そこからもう芝居は始まってたんだよ!」
024 リ ム「警察に…保護……されて…。」
025 男 B「それも芝居の一つだ。」
026 リ ム「カイルが……カイルが死んだわ……!!」
027 男 B「だから、全てが芝居だったんだ!
ドアの向こうには君の両親も、ガードの彼もいる!
ホテルの中では準備が整っていて…
招待客もシャンパンを持って、皆そこにいるんだ!!」
[フラフラと後退るリム]
028 リ ム「……そんな…そんなの嘘よ………。」
029 男 B「嘘じゃない!そのドアが開けば分かる!!
銃を下ろしてくれ………。」
030 リ ム「カイルは……カイルはいつから知って……。」
031 男 B「彼がロビーで倒れた時だ。」
032 リ ム「……カイルは……私の目の前で死んだのよ……。
それが……それがお芝居だなんて………絶対嘘よーーっ!!」
[鎖が落ち扉が開く]
[リムは目を閉じ、引き金を引く]
033 男 B「やめろぉっ!!!!」
[銃声]
[リムの意識が遠のく]
034 ザ ン「兄貴ーーーーっ!!!!!」
035 リムM「…え?……あの人の………ザンの声……?」
[割れるグラスの音]
[招待客達が騒然となる]
[銃弾を受け倒れるカイル]
[リムが顔を上げる]
036
ザ ン「兄貴っ!しっかりしてくれよ!……兄貴ーーっ!!」
[カイルを抱きかかえるザン]
[ザンのスーツが赤く染まる]
037 リ ム「……あ………あぁ………。」
[へたり込むリム]
038 リ ム「……カイ…ル…?」
039 ザ ン「早く!早く救急車をっ!!
……兄貴……頼むから………しっかり……。」
040 男 A「皆、下の階へ!!」
[招待客はザワザワと移動していく]
041 リ ム「カ…イル……カイル……。」
[冷たいコンクリートの上を這うリム]
042 ザ ン「来るなっ!!」
043 リ ム「!!」
[止まるリム]
044 ザ ン「来るな!…お前は……お前はっ………。」
045 リ ム「あ………わ…私………っ……。」
046 男 A「ザンさん…カイルさんを下へ。」
[男達がカイルの身体を自分達の上着で縛る]
[男達とザンはカイルを担ぎ階段を下りていった]
[震えながら動けないリム]
[男がリムの傍に歩いてくる]
047 男 B「………」
[リムの肩に触れ、立たせる]
[男は自分の首に手を当てるとタトゥを剥した]
048 リ ム「………」
[気を失うリム]
[男はリムを抱きかかえ、階段を下りる]
-----20XX/10/19 10:17PM-----
[夢を見ているリム]
049 リ ム「カイル…どこ?……どこにいるの?」
050 カイル「ここだ……。」
051 リ ム「どこ?……真っ暗だよ……カイル……。」
[走り出すリム]
[突然目の前が明るくなる]
052 リ ム「カイル……カイルなの?」
053 ザ ン「……お前が……。」
054 リ ム「………?」
055 ザ ン「……お前が…兄貴を……!」
056 リ ム「…ザ……ザン……?」
057 ザ ン「兄貴を……。」
058 リ ム「ザン……私………私っ…!」
059 ザ ン「お前が殺したんだっ!!!!!」
060 リ ム「いやぁーーーーっ!!!!!」
061 リム母「リム…リム……。」
062 リムM「誰……?…私……今……。」
[目を開けるリム]
063 リム母「リム……。」
064 リ ム「……ママ………パパ……?」
065 リム父「…リム……大丈夫か…?」
[リムは起き上がり、周りを見渡す]
066 リム母「安心して。ここはさっきのホテルよ。」
067 リ ム「……ホテル………私…カイルを……。」
[リムの父がリムを支える]
068 リム父「さぁ、リム。招待客がお前を待っているぞ。」
069 リム母「リム、ごめんね……驚かせちゃって。」
[大きなドアが開く]
[招待客全員が立ち上がり拍手と歓声がわく]
[音楽]
[席につき黙り込むリム]
070 リ ム「皆…何も言わない……。私は…カイルを……。
ザンはきっと私を許してくれない……きっと…今度は私が……。」
[泣き出すリム]
[変わらず流れ続ける音楽]
071 カイル「…何泣いてんだよ……。」
[下を向いたまま泣きながらリムは答える]
072 リ ム「…だって……だって私……カイルを…カイルを………。」
073 カイル「……俺が何?」
074 リ ム「えっ!?」
[振り向くリム]
[そこにはカイルが立っていた]
[驚きで泣き止むリム]
[ノーネクタイでスーツを着て、左側の鎖骨にクモのタトゥをしているカイル]
[胸元や顔には僅かな傷がある]
075 リ ム「カイル……怪我………。」
[顔の傷を気にするカイル]
076 カイル「……プラスチック弾……結構痛いんだな…。」
077 リ ム「……つっ。」
[再び泣き始めるリム]
078 カイル「…悪かった……。」
079 リ ム「……っ……ばかぁ…。」
080 カイル「……ごめん…。」
[涙を拭うカイル]
[泣き止まないリム]
081 カイル「……おい…。」
[自分で涙を拭い、微笑むリム]
082 リ ム「…これで……いい?」
[微笑むカイル]
083 カイル「……それがいい…。」
[向かい合う二人]
[カイルは小さく腕を広げた]
[リムは迷わずカイルに抱きつく]
[カイルも戸惑う事なくリムを引き寄せる]
084 カイル「…誕生日、おめでとう………。」
Work![Crime1 defend] END
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